直径1.4〜2.0mmのチタン製スクリューを歯ぐきの骨に埋入し、それを固定源にゴムなどで歯を牽引して移動する治療法です。現在の矯正治療においては、ごく一般的に使用されます。埋入は麻酔で無痛的に行い、その後は治療中も痛みや腫れを伴わず、患者さんにとって苦痛などの負担が小さい治療です。治療後にスクリューは撤去し、歯ぐきや骨の傷はキレイに元に戻ります。
動かしたい歯のみに力をかけることができるため、奥歯を固定源とする従来の矯正治療に比べて効率が良く、歯の移動が安定するため、結果的に治療期間を短縮します。また、従来の治療方法では達成が困難な移動距離や移動方向に歯を牽引することが可能になったため、難易度の高い治療設定も作成することができます。
スクリューに牽引する力がかかるため、治療中にネジが動揺し、抜けてしまうことがあります。(治療後にスムーズにスクリューを撤去する必要があるため、骨に強く固定されない製品設計になっています。)埋入する場所や骨の状態にもよりますが、およそ2〜3割程度は脱落するという論文データがあります。脱落した場合は、再度埋入が必要になります。